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ハンドドリップコーヒーの湯温 | MAKE SENCE COFFEE Vol.02


みなさんこんにちは。滋賀県湖南市石部のコーヒーロースター、DONGREE COFFEEROASTERS店主のドリーです。


今回は、ドリップコーヒーの永遠のテーマじゃないかと思うくらい大切で、でも明確な答えのない、『お湯の温度』について書きたいと思います。


よく「沸騰したてのお湯はだめ」とか「90℃で淹れる」とか「お湯の温度のことは全く考えずにケトルから直接淹れてた」とか、ご自宅で日常的にドリップをされている人でも認識は本当に様々で、とてももったいないな、と思うことが多いです。


ワークショップでも毎回お伝えしておりますが、『何℃のお湯が正解』という答えはありません。でも湯温を計ることはとても大事で、『高過ぎても低過ぎてもだめ』なんです。絶対的な温度設定ではなく、目の前のコーヒーの粉から、どんなふうに液体を抽出したいか、で湯温を考えます。いずれにしても湯温で抽出するコーヒーの味わいがかなり変わるということです。


お湯の温度によって変わるのは、味が溶け出す速度


とはいえ、「味わいが変わる」といっても、聞くだけではよくわかりませんよね。例えば80℃と90℃のお湯でそれぞれドリップしたコーヒーを飲み比べるのが1番手っ取り早いのですが、できる人は試してみてください。

簡単に説明をすると

高い温度のお湯はコーヒーから早く味が溶け出す低い温度のお湯はコーヒーからゆっくり味が溶け出す

というシンプルな物理法則があります。

この、「早い、ゆっくり」、の影響を絡めるとさらに事態は複雑(コーヒーむつかしい!)になっていくのですが、ここでは深く考え過ぎず、中でも特に大きな要素だけをお伝えします。


味の過抽出と未抽出


味の溶け出す速度とはつまり、コーヒーの過抽出(味の出過ぎ)・未抽出(味の出なさ過ぎ)という考え方に繋がります。

ドリップコーヒーは時間をかけすぎると後半に嫌な苦味が出てきます。逆に短すぎると味が物足りなくなります。ドリップの時間についてはまた別の記事で書こうと思いますので、一旦なんとなく「長過ぎず短過ぎず」と思っておいてください。目安は2分〜3分くらいでいいです。


で、先ほどの高い温度によって早く味が溶け出すということは、『高すぎる温度だと味の出過ぎで嫌な苦味になる』ということがわかってきます。

なので「沸騰したてのお湯はだめだよ〜」というよく見かけるドリップのお作法が巷に流れているわけです。


でも、もしその嫌な苦味が出ない、むしろ沸騰したてくらいのお湯じゃないと味が薄い場合は、もちろん沸騰したてを使ってもいいと思います。

例えば古くなったドリップバッグのコーヒーなんかは、味がだいぶ抜けてしまっている分、低い温度だと味が出にくいので思い切って高温でしっかり淹れるといい感じになることがあります。

もちろん飲む前に冷めたカップに入れたり、少し時間を置いて冷ましてからじゃないと美味しく飲めませんが。


お湯の温度を計るところから始めてみましょう


今回はドリップコーヒーのお湯の温度についてお話しましたが、店主も20年くらい前に初めてコーヒー豆を購入したお店で教えてもらったのが、湯温のことでした。

当時は、それこそざっくりと「沸騰したてのお湯を一度サーバー(コーヒーを淹れるガラス容器)にいれてから戻すといい感じに冷めるよ」くらいの情報でしたが、それで本当に美味しくなったのが印象的でした。


ハンドドリップコーヒーの湯温、ぜひいろいろ試してみてください。

あ、湯温を測るのにオススメはタニタのデジタル温度計です。個体差(実は買う商品によって温度に誤差が出ることがあります)が少なくて、当店でも3本併用しています。




あとはそもそも湯温設定できるドリップポットなんかもあります。細かくお湯の温度を変えて試すのには不向きですが、この温度がちょうどいい!と固定して毎回ドリップしたいひとにはいいかもしれません。





みなさんのコーヒーライフが、楽しい発見と美味しいひとときになりますように!



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