KYOTO FIVE ROASTERS REPORT

#02

大山崎COFFEE ROASTERS

大山崎町

大山崎町との出会いによって始まったコーヒー焙煎の暮らし

大山崎COFFEE ROASTERSの中村夫妻は、『住みたい場所』として大山崎町へと移住してきたと同時に、それまで務めていた仕事とは全くジャンルの異なる『コーヒー焙煎屋』を始めた異色のロースター。

暮らしの在り方、仕事の選び方、それは自分たち次第で自由に決められる、そんな気持ちにしてくれるご夫妻。今回、彼らの仕事場である焙煎所にお邪魔して、コーヒー豆を売るというお仕事について色々とお話を聞いてきました。

Dongree's select bean
天王山コーヒー
​コスタリカ・ドンオスカル・レッドハニー

コーヒー豆の自家焙煎を始めたきっかけを教えてください。

2012年に夫婦で東京から引っ越してきて、引っ越しと同時にその先で何をやろうかと検討していました。移住先も最初から大山崎町と決めていたわけではなく、どこにしようかと2人であちこち足を運んで、最終的に大山崎の風土と自然に惹かれ移住しました。二人ともコーヒーが好きだったので最初はカフェも考えていたのですが、場所が見つからなかったこともあって。同じコーヒーでもカフェではなく焙煎と考えたときに、焙煎なら焙煎機さえあればネットショップでも売れるし、豆を販売するのならカフェと違ってどこでもできると思ったんです。いつも買いに行っていた豆屋さんで焙煎ワークショップをしていて、ちょうどそれに参加したときの楽しさもあり、他には本屋さんとかも考えていたんですが(笑)現実的に考えて焙煎がいいのかなぁと。それで2013年に実店舗は持たず焙煎のお店を始めました。 

Dongree店主

「個人ロースターさんが増えてきたなと思ったきっかけは中村夫妻に出会ってからです。しかも最初はネットでしか販売をしていないというのが新しかったですよね。コーヒー豆の需要はここまで増えてきたのかと、改めて感じたのを覚えています。今もまだ個人ロースターがどんどん増えている印象がありますね。どこまで増えるのか、楽しみですよね。 」

焙煎機を作る人に会って話を聞いて 
2代目の焙煎機を決定

始めた頃はディスカバリーという半熱風式の焙煎機を使っていたのですが、1年くらい前から次なる焙煎機探しを始めて、いくつか焙煎機屋さんに行き、実際に自分たちが持って行った豆を焼かせてもらったり、お話を聞かせてもらったりしていました。最終的に、軽井沢のカワンルマーさんが手がけた「GRN」という熱風式の焙煎機に決めました。当初、自分たちの求めている味もよく分からずロースターをやり始めて、昨年くらいからようやくどんな味を目指していきたいか分かってきたところで、自分たちがこれまでやってきた焙煎の仕方に一番フィットしていたのが、カワンルマーさんの焙煎機だったんです。カワンルマーさんは焙煎や生豆の販売などもされていて、店主の小野さんが設計して作られたのがこの焙煎機です。

焙煎機について教えてください。

初代焙煎機「ディスカバリー」 250gの半熱風式マイクロロースター

カフェだったら最終的にお客様に出す1杯が完成形ですが、僕たちは豆しか販売していないので僕らにとっては豆が完成形です。ただ、コーヒーをトータルで考えると完成形ではない。最終的に究極の1杯を作るのはDongreeさんのようなお店の方やお客様なので、その前の状態でできる最善のことは究極の豆を作ることではなく、淹れてくれる方がおいしく淹れやすい豆だという風に考えるようになったんです。

2代目焙煎機「GRN」 完全熱風式に変わり、焙煎量も1kgに増えた

Dongree店主

「目指す味が見えてきたから、焙煎機選びも明確になったのかもしれませんね。 」

そうですね。一般的に焙煎は10分くらいというところもありますが、ディスカバリーを使っていたときから自分たちは20分くらい時間をかけて焼いていました。長めだなと思うこともあるんですが、やっていくうちに、ゆっくり火を通すのが自分たちの方向性だと行きついて。カワンルマーさんのところで小野さんに話を聞いていたら、焼くときのスタイルや思いが近かったんです。実際に焼かせてもらったら、自分たちが求めている味わいにとても近かったですし、出したい味を出すのに適していると思いました。探し始めたときは海外のメーカーも考えたんですが、実際に設計した人と話せるのは大事だなと思って。 

焙煎機を変えてよかったことはありますか?

味わいが表現しやすくなって、より好きな味になりました。前は1度に200gほど焼いていたのですが、今は1㎏と焼ける量も増えましたね。ただ、排気を調整するダンパーは前より気を遣うようになりました。完全熱風の場合は、熱を吸い込むことで豆を焼くんですよね。前のディスカバリーだと、ダンパーは主に排気するための操作だったのですが、今ダンパーは排気に加え、どれくらい熱を吸い込むかということにも関わってくるので、温度を上げるにも、火加減を強くする、もしくは火加減を変えずダンパーを開けるという二つ選択肢があるんですよ。ダンパーを開けすぎると味が抜けてしまいますし、閉じすぎると、今度はしっかり内側から外側まで焼けなかったり…なかなか難しいですね(笑) 

焙煎は中村さん担当で、普段はまゆみさんがコーヒーを淹れているんですよね。淹れ方は、どういう風にされてますか? 

まゆみさん

「毎回、上手に淹れようとは思っています(笑)イベント出店したときなど、お客様に聞かれることもあるのですが、基本的な「こうした方がおいしい」というやり方があるので、お湯の温度と蒸らしと抽出時間とそこだけはお伝えするという感じです。ですが、私たちは豆屋さんだから、コーヒーを淹れるのが仕事ではないという思いはあって、最後はお客様が好きなように淹れたらいいのかなとは思いますね。」

佳太さん

よく「お湯は真ん中からかけてのの字を書きましょう」と言われていますが、そうする理由までは伝わっていない、分からないですよね。コーヒーは真ん中の層が一番厚いから、最初に真ん中からかけて、最後また真ん中に戻ったら効率がいいんですよ。理屈さえ知ってもらえたら、あとはいろいろな淹れ方を試してもらえたらいいなと思います。それはたぶん焙煎にも言えることで、焙煎も基本を押さえておいたら、応用がききますよね。 

コーヒーのおいしさは人それぞれ 
答えがないことが楽しい

焙煎をしていて楽しい瞬間はいつですか?

まゆみさん

最近ようやくこの焙煎機の個性が見えてきて、コントロールができるようになってきたから、彼(佳太さん)が「こうしたらこうなるんだな」っていうのを常に考えていて、そういうときすごく楽しそうにしていますね(笑)

佳太さん

味覚、嗅覚は僕よりもまゆみさんの方がダントツにいいんですよ。なので、ちょっといつもと違う焼き方をした豆を彼女に挽いて飲んでもらって、「お、いい方に来たね」みたいな(笑)そういうちょっとしたことに気付いてよくなっていくのが楽しいですね。日々の小さな発見が、全部豆に反映されるところ。

あと、何が楽しいって、分からないことが楽しいですね。学生時代は宇宙とか数学をやっていて、何かしらきちんとした答えがある世界だったのが、今やどんなに自分がおいしいと思っても、それをおいしいと思わない人がいるっていう世界(笑)。どんなに頑張っても否定されるっていうのは、すごい楽しい。人によって舌も好みも感覚も違うから当たり前だし、それでいいんだって思うんです。人間って面白いなぁと(笑)正しいか、正しくないかというよりは、素直においしいかおいしくないか、でいいんですよ。僕自身これだけコーヒーを扱っていますが、結構ぶれるんです。季節によって浅煎りが好きだったり、深煎りが好きだったり、どっちもおいしいなって。

ただ一つ言いたいことは、豆のまま買ってくださいっていう、何とかそこだけはお願いしたい。自分たちでは豆のままでしか売らないんです。お店では焙煎後3日以内、卸ではお届けから1週間以内での販売をお願いしています。もう、うちの豆じゃなくてもスーパーでもいいから豆のままで買ってほしい(笑)とにかく豆の状態で買って、挽きたてのコーヒーを楽しんでもらいたいという思いは強いですね。

Dongree店主

「取材前半、新しい焙煎機を選んだ理由についての質問に対して、「そもそもコーヒー屋をふわっと始めたので、昨年あたりからやっと自分達が目指したい味が見えてきた」と語る中村夫妻の正直さが、やっぱりいいなぁと嬉しくなりました。「好きなコト」を「好きな場所」で仕事にする。大きな決断と覚悟が必要だったはずですが、その選択が中村夫妻の大らかで伸び伸びとした仕事の在り方と暮らしぶりに繋がっているのだと、改めて感じました。」

大山崎 COFFEE ROASTERS

営業時間

毎週木曜・土曜 10:00〜15:00

定休日

※営業は木曜・土曜の週二日のみ

TEL

075-755-5530

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WEEKENDERS COFFEE

​京都のディープなカルチャーが集まる左京区において、世界を見据えたコーヒー作りで、最新のコーヒーを発信しているロースター。京都でも随一のフレッシュでクリーンな味わいを表現する浅煎りの名手。

大山崎 COFFEE ROASTERS

『​住みたい場所』探しから始まり、その場所で『自分達が好きなコーヒー』を仕事にしよう、という『暮らし方』から考えるアプローチでコーヒー業をご夫婦で始められたロースター。常に小ロットで丁寧に焼かれるコーヒーは、オーナー夫妻の人柄や住処とする大山崎町のイメージにぴったりなクリアで優しい味わい。

クアドリフォリオ

東京の老舗自家焙煎コーヒー店『カフェ・バッハ』のDNAをしっかりと受け継ぎ、自身が求める『キレのある味』に一切妥協のないコーヒー豆専門店。いつでも美味しく安定感の素晴らしいコーヒー豆を提供している名店。

珈琲工房てらまち

京都三条会商店街にある、自家焙煎の純喫茶店。ジョーク交じりに語られるマスターのコーヒートークは、逐一明快で聞いていて気持ちが良い。古くからの商店街にあって、ナチュラル精製を多く取り入れるなど、チャレンジ精神旺盛な豆の仕入れ、焙煎を続けられる、コーヒーエンターティナー。

サーカスコーヒー

某コーヒー専門店で店長まで務め、生産地であるコーヒー農園を見て回るなどをしてきた、経験値豊かなロースター。出身地である京都市北区で、地元のお客さんのための日常のコーヒー作りを第一に考え、老若男女に愛されるスペシャルティコーヒーを焼き続ける。

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©2019 Dongree

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