KYOTO FIVE ROASTERS REPORT

#04

珈琲工房てらまち

中京区

美味しいだけではない、コーヒーの魅力を伝えるエンターテイメント性

三条会商店街の中心部で、自家焙煎喫茶『珈琲工房てらまち』の店主、寺町靖之氏。

常に笑いを交えながら語られるコーヒーの話は、まさにエンターテイメント。

その楽しさの裏には、コーヒーに対する愛と深い理解がありました。

​そんな寺町氏に焙煎のこと、いろんなコーヒーの楽しみ方についてお聞きしてきました。

Dongree's select bean
ケニア
​ニューガタンガ

縦置きで喫茶店に特化した珍しい形 完全熱風式のNOVO ROAST MASTER

コーヒー豆の自家焙煎を始めたきっかけを教えてください。

中学校の卒業文集に「海の見える丘の上に白い建物の喫茶店を作る」って書いていたんですよ(笑)…というのもあるのですが、元々コーヒー豆の焙煎・卸販売をする京都のコーヒーメーカーに就職して、喫茶の現場を10年ほど経験した後、企画や商品開発の仕事をしていました。そのメーカーでの勤務時代に、NOVOロースターという焙煎機と出会い、そして焙煎したてのパック詰めしていないコーヒーの香りと味わいに感動し、それをもっとお客様に伝えたいと強く思うようになりました。それまでの直営店は会社の豆を置くだけでしたが、新しいタイプの直営店として、各店舗で焙煎した豆も売るスタイルがあってもいいんじゃないかと。最終的にその案は却下されたんですが(笑)

今のお店は、そういった会社員時代で思い描いた夢をそのまま形にしたようなものなんです。私は組織に馴染めない人だったので(笑)ゆくゆくは焙煎機で豆を焼いて販売していこうという風には思っていましたし、店の焙煎機で焼いた豆を販売しつつ、近所に住む人が気軽にお茶をしに入って来られるような昔の喫茶店、コミュニティの場としてのお店を作りたいなと思って始めました。

Dongree店主

「Dongreeのお店を始める前から一人のお客さんとして寄らせてもらっていますが、てらまちさんは、豆だけでも気軽に買えるコーヒー屋さんとして、すごく入りやすかったですね。対面ではなく、店主の寺町さんが横に並んで一緒に探してくれる。お客さんと同じ目線になって選んでくれる信頼のおける豆屋さんという印象でした。てらまちさんから仕入れている豆の銘柄はその時々で変わるのですが、現在は「ドミニカ ハラバコア モロンタ」という豆を入れさせてもらってます。 コーヒーの個性がめいっぱい混ざり合った濃厚なコーヒーというのがDongreeでの位置付けで、特にコーヒー好きの女性にファンが多い印象があります。 」

好みの味わいを追求したら
熱風式のロースターだった

焙煎機について教えてください。

焙煎機は熱風式のノボロースターです。昔の直火式の焙煎が、私の中ではすごくスモーキーな印象があって、それが苦手で。
これに決めたのは熱風式で焙煎した豆の味わいが好きだったことが大きい。焙煎には、最初に豆の水分を飛ばす水抜き、香りづけ、味付けの段階があって、このロースターが優れているのは、その温度と風量を10段で細かくコントロールできるところですね。

Dongree店主

「熱風式の良さは、苦味と酸味の絶妙なバランスをコントロールするのに適しているのかもしれませんね。現に「ドミニカ ハラバコア モロンタ」も中煎りと中深煎りの間くらい、まさに熱風式ならではのバランスラインで仕上げられていて、ベリー系の甘酸っぱい酸味と、ダークチョコレートな苦味が両方楽しめるのが魅力だと思っています。」

また熱風式は、シリンダーの中に煙がこもらないので、豆にスモーキーな香りがつくことがなくコーヒー本来の香りを楽しんでもらえる点も魅力だと思います。直火式のドラムはいくぶんか煙がこもるので、深煎りになればなるほど、スモーキーな部分が現れます。ただ、熱風式はやりすぎると豆がスカスカになってしまうんです。低温の180度くらいで15〜20分焙煎すると全然味がしない。味が抜けるというか香りが抜けるというか、シャバシャバした苦さだけが口に残るような感じです。なので、ゆっくりと火を入れていくのではなく、短時間で中まで火を入れるようにしています。ですが、一方でなかなかボディ感が出せない部分もあるので、アイスコーヒーにしたときに飲み比べたら、直火式の焙煎機で焼いた豆の方がおいしいかもしれませんね。

煙を吸わない熱風式ロースターで
コーヒー本来の香りを届ける

あと、この熱風式の焙煎機で焼ける最大量は1㎏なんです。1㎏入れると焼きムラが出るので、だいたい500gずつ焼いていて、1回に焼ける量は少しですが、その分たくさんの商品数を持つことが可能なんです。
鮮度のいい状態で商品を回転させようとすると、品数も少なくしなければいけない。反面、この焙煎機では100g200gといった少量での試し焼きができるので、気軽にチャレンジできる部分もあって、20品目もの豆を扱うことが可能になりました。

Dongree店主

「確かに置いている豆の種類が豊富ですよね。どうやってセレクトされているのですか?」

やはり自分がまずおいしいと思ったもので、お客様に喜んでもらえるものですね。これじゃないとダメ!というこだわりがあるのではなく、おいしいコーヒーであれば紹介したいと思っています。昨年ドミニカのおいしいコーヒーがあったのですが、今年は昨年よりも香りと甘味が弱かったんです。その割に値段は上がっていたので、今年は置くのをやめました。安くてもおいしいものがあれば置きますし、うちのお客様の好みはだいたい把握しているので、合うものがあれば注文かけて扱ったりもしていますね。

一方で、おいしいだけじゃなくて『背景が面白い』と思える豆があれば、積極的に取り扱うこともあります。例えば、樹齢130年の原木から取れたコーヒー豆があって、これはもう味云々よりも背景を楽しんで飲んでくださいと(笑)コーヒーの木は普通3年で実が成り、だいたい5〜6年で新しくなるサイクルですが、それが130年前の原生林が残っていて、その木から収穫したコーヒーが飲める。ただ、それがおいしいかどうかわからない(笑)そんな風に紹介してあげるのも、私たちコーヒー屋さんの役割の一つかもしれない。商品に「ニュークロップ」と表示するのも、お客さんが「これどういう意味?」と反応してくれたときに「お米でいう新米のことです」と話題が広がる。飲むだけの楽しさではなくて、一つのキーワードから会話が広がったり、明日使えるネタを身に着けてもらえたりしたらいいですよね。最初の話と矛盾するけれど、味よりも背景が特化しているものをお客様に紹介することもあります。

Dongree店主

「背景が面白いコーヒーのほか、個性的な「ナチュラル精製」の豆を多く取り入れたりもされていますよね。常にエンターテインメント性のあるラインナップがてらまちさんならではの特徴だと思います。まだ今ほどコーヒーに対する情報や流通が盛んでない時代から、 最先端とも言える、常に新しいコーヒーシーンを紹介されていたのには恐れ入るばかり。 それも、古くからの「商店街」という場所においては、とてもチャレンジ精神溢れるコーヒー豆の取り扱い方だと思います。」

これからはマイクロロット(※いくつかの品種などを混ぜることなく、少量で扱われる丁寧に栽培された豆)で入荷される豆もどんどん増えるでしょうし、そうなるとAさんの作った豆は10㎏1万円するけど、Bさんが作ったのは5000円とか、コーヒーもお米のようにそういった違いが出てきて、もっと楽しみが増えるでしょうね。ただ、僕たちが勉強しなあかんことも増えて、大変になりますが(笑)

目指すのは、
未だないNo.1のコーヒー

焙煎をしていて楽しい瞬間はいつですか?

一番は新しい品種のコーヒーが焼き上がったときでしょうか。焼くこと自体楽しいので、失敗したとき成功したとき、両方とも楽しい(笑)新しいものを扱うときの、焼きあがる前のワクワク感はなんともいえません。その焙煎でどんな味を目指しているかを一言でいうのは難しくて…。
豆の等級を表すのは、普通一番質のいい豆が№1と表示されますが、ブラジルには№1がないんです。ブルーマウンテンに№1はあるけれど、ブラジルでは№2が実質1位なんです。なぜか?ブラジルの基準では、『農作物である以上、欠点が一切無い=「No.1」は事実上は存在しない』 という考えがあるからなんです。

僕の目指す味も、ブラジル№2と同じです。コーヒー豆の品質はまだまだ上がってくるでしょうし、種類も増えてくるでしょう。アジアでもコーヒーが栽培されるようになってきて、新しい農園やまだ埋もれてる農園があるかもしれない。これはもう、僕がどんな味わいを目指すかではなく、農園が目指しているものに私たちがどれだけ共感できて、お客様に紹介できるかということかもしれませんね。自分が焙煎でどんな味を目指すかというより、農園から最終的にお客様に飲まれるカップまでをお手伝いするのが私たちの役目。農園主の思いを伝えなければと常々思っています。
ここのコーヒーが口に合う合わないは必ずあると思います。だから、うちで合わへんかったらほかにもたくさんあるよって紹介しています(笑)それは突き放しているわけではなく、うちでなくてもいいから、最終的にコーヒーを飲んでくれたらいいなと思っているんですよね。

Dongree店主

「寺町さんがお話される『ブラジルが自国のコーヒーにNo.1を作らない』というエピソードは、ご自身のコーヒーに対するチャレンジ精神と通ずるものがあると改めて思いました。 常により美味しく、より面白く。 同じく「コーヒーを紹介する」仕事人として、寺町さんの楽しくコーヒーを語られる姿は、励みになる目標とすべき店主像でした。」

​珈琲工房てらまち

営業時間

[月~金]
9:00~20:00
[土・日・祝]
8:00~20:00

朝食営業、ランチ営業、日曜営業

定休日

​不定休

TEL

075-821-6323

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WEEKENDERS COFFEE

​京都のディープなカルチャーが集まる左京区において、世界を見据えたコーヒー作りで、最新のコーヒーを発信しているロースター。京都でも随一のフレッシュでクリーンな味わいを表現する浅煎りの名手。

大山崎 COFFEE ROASTERS

『​住みたい場所』探しから始まり、その場所で『自分達が好きなコーヒー』を仕事にしよう、という『暮らし方』から考えるアプローチでコーヒー業をご夫婦で始められたロースター。常に小ロットで丁寧に焼かれるコーヒーは、オーナー夫妻の人柄や住処とする大山崎町のイメージにぴったりなクリアで優しい味わい。

クアドリフォリオ

東京の老舗自家焙煎コーヒー店『カフェ・バッハ』のDNAをしっかりと受け継ぎ、自身が求める『キレのある味』に一切妥協のないコーヒー豆専門店。いつでも美味しく安定感の素晴らしいコーヒー豆を提供している名店。

珈琲工房てらまち

京都三条会商店街にある、自家焙煎の純喫茶店。ジョーク交じりに語られるマスターのコーヒートークは、逐一明快で聞いていて気持ちが良い。古くからの商店街にあって、ナチュラル精製を多く取り入れるなど、チャレンジ精神旺盛な豆の仕入れ、焙煎を続けられる、コーヒーエンターティナー。

サーカスコーヒー

某コーヒー専門店で店長まで務め、生産地であるコーヒー農園を見て回るなどをしてきた、経験値豊かなロースター。出身地である京都市北区で、あくまでも地元のお客さんのための日常のコーヒー作りを第一に考え、老若男女に愛されるスペシャルティコーヒーを焼き続ける。

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©2019 Dongree

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